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公益法人等に寄附をした場合の譲渡所得の非課税制度の見直し

  1. 制度の概要
  個人が法人に対して財産を贈与(寄附)した場合には、贈与時の時価で譲渡があったものとみなされ所得税が課税されます(みなし譲渡所得課税)。
  しかし、個人が公益法人等に対して株式等の財産を寄附した場合には、一定の要件を満たすことにつき国税庁長官の承認を受ければ、みなし譲渡所得課税は行われず、非課税とすることとされています。

2. 現行制度における非課税承認の要件
  国税庁長官の承認を受けるためには、次の3つの要件を満たす必要があります。
(1) その寄附が、教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与すること (2) 寄附財産が、寄附があった日から2年を経過する日までの期間内に、公益法人等の公益目的事業の用に直接供される又は供される見込みであること
(3) 寄附により、寄附者やその親族等の所得税・相続税等の負担が不当に減少しないこと

  また上記(3)については、次の(a)~(d)の要件を満たしていれば、所得税等の不当減少にはあたらないとされています。
  (a) その運営組織が適正であることや、定款等で役員等のうち親族等の割合が3分の1以下とする旨の定めがあること。
  (b) 寄附者やその公益法人等の役員等に対し、施設の利用、金銭の貸付け等及び事業の運営に関して特別の利益を与えないこと。
  (c) 定款等で、その公益法人等が解散した場合にその残余財産が国や地方公共団体又は他の公益法人等に帰属する旨の定めがあること。
  (d) その公益法人等につき公益に反する事実がないこと。

3.  改正内容
  平成26年度改正では、公益法人等に寄附をした場合の譲渡所得の非課税制度(以下「措置法40条の非課税特例」)の見直しが行われ、非課税承認の要件が厳格化されました。主な改正点は、以下です。
(1) 公益法人等が、措置法40条の非課税特例の適用を受けた株式等を、株式交換等により譲渡した場合でも、その株式交換等により交付を受けた株式を引き続き公益事業の用に直接供した場合には、非課税特例の継続適用を受けられることが明確化されました(平成26年4月1日以後に行われる株式交換等について適用)。
(2) 上記2.(3)の不当減少にあたらないと判定する要件に、「公益法人等がその寄附により株式発行法人の発行済株式の2分の1を超えて保有することにならないこと」というのが追加されました(平成26年4月1日以後に行われる株式の寄附について適用)。

4.留意点
  公益社団法人・公益財団法人は、公益認定制度の観点から議決権割合が2分の1未満である必要があります。これまでは種類株を用いることで発行済株式の2分の1を超えて保有をしていても議決権割合を2分の1未満にすることで公益認定の要件を充足することが可能でしたが、平成26年度税制改正により、措置法40条の非課税特例の適用を受ける場合には、議決権割合2分の1未満かつ発行済株式の2分の1以下としなければならないため、注意が必要です。

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